musician@manhattan

暑いですね。最近のミュージシャンはこんな感じでしか活動できないのですかね?

コロナ禍の中で演奏活動もままならない音楽家が多いこのご時世の中でこのようなトピックで書くのはちょっと間が悪いかなと思ったのですが、今は難しいかも知れませんがコロナ禍後の事には!と思っている方々に少しでもこの記事が役に立てばと思いながら投稿させて頂いております。

〜プロのミュージシャンへの道はどういうもの?〜

・我流でなく誰かから学ぶ事
・仕事は待っていても来ない、人から人へ。
・下手でもいいからその時の成果を人に聞かせる
・技術は教われても心は自分で探すもの
・残念ながら人格も問われる音楽業


先に断っておきますが、この内容は主に私の活動(ジャズが中心)の経過からある程度の答えを導いたものであるので全てのジャンルの音楽家に当てはまるとは思わないのですが、ある程度網羅できるかなと思っていますが、もしかしたら偏っているかも知れませんのでその点はご了解頂けると助かります。

音楽家の人生を知らない人にはわからない事なので申し上げますが、私が言う内容が全てではないことは覚えておいてください。音楽家と言う、非常に曖昧な職業とも言えるので何をもって音楽家なのか?という定義が千差万別すぎてここでは私が見聞きした事をお伝えするのですが、実は業界の中ではほんの一部でしかないかも知れませんのでよろしくお願いします。

1. 我流でなく誰かから学ぶ事

これは昔であれば先生を見つけて学ぶ、今であれば学校に行って学ぶ、どれでも構わないのですが自分にとって良い先生を見つけられることが音楽家への近道ではあります。これはどのジャンルも問わず一緒だと思います。何故かは次のトピックで書きます。

しかしながら最近の学生、若い子達はレッスンのお金も払えるほど持っていなかったりします。ここは押さえておかないと行けない点ですが、自分に投資する事をしないとどんな道でも先に繋がらないのは古今東西一緒だと見て取れます。

それでも今現在、貧富の差が大きくなる世の中にあって音楽家というのはどうしてもご両親、ご家族がある程度裕福な所から生まれてくる傾向は仕方がないのですが、クラシックでない限りレッスン代はひと月1回1万円くらいもあれば大丈夫なのでバイトだけでもそれくらいは捻出できると思うのですが。

因みに私は頑として日本では学びませんでした。それは自分のやりたい音楽、楽器は西洋のものなのでその地元のミュージシャンに習いたい!との一心でした。お陰で留学前は大した活動もできずに悶々とした日々を送っていましたね。


2. 仕事は待っていても来ない、人から人へ

ここが大事な所です。音楽家の仕事はもうほぼ人脈が全てと良いかもです。今でもそうなのかな?昔はロック、ポップス系だとインペグ屋も含めていろんなオーディションがあったりしましたが、オーディションを受けずともプロになってしまった私なのでこればかりは人脈と言いたいです。もちろん、クラシックならばコンクール、ポップス系ならば昔はポプコンもありましたしバブルの頃までバンドブーム辺りまで音楽業は華やかでしたよね。

ここで大事なのが人に学ぶ、学校で学ぶ事なのです。例えば音大。そこにはコンクールのルートもあるし、コンクールでなくても仕事へのルートが沢山あります。今は日本ではジャズも学べます。もちろん習っている先生からのルートもあります。もちろん上手くなればの話ですがね。

学びながら人脈も得られる手っ取り早い方法は誰かに学ぶと言う事なのです。

「良い先生を選ぶ」と言う意味は音楽技術もそうですが、人脈も含めて良い方向に導いてくれる人を見つけられるかが鍵となります。もちろん相性もありますけどね。先生の持っている人脈からその先生を選ぶ人もいるくらいです。


3. 下手でも良いからその時の成果を人に聞かせる

これはジャズミュージシャンになりたい人への限定的な話です。ジャズ界には「ジャムセッション」という素晴らしいシステムが存在します。システムと言うべきではないのですが、これが所謂オーディションの代わりにもなります。もちろん趣味で来られる方も多いですが、レベルの高いジャムセッションに参加しているとプロの方にも出会えるので重要視して良いと思っています。

しかし、ジャムセッションを毛嫌いする人もいます。ジャズの中にも多くのスタイルが存在しているので合わない人には合わないと思います。

しかしながら自分の演奏を聞いてもらわないことには何も始まらないので下手くそと思っていても行け!と私は進めています。そこに必死にしがみついて、行くたびに上手くなってると評価されるとある日声がかかることは十分あります。その頑張りは凄い評価されやすいです。

私はジャムセッションで随分と色々なミュージシャンと出会って仕事に繋げていきました。それはジャズのライブハウスだけでなく、大学のジャズ研の学祭に飛び込んだりと飛び入りできるところは出来る限り行きました。

私ごとの話ですが、留学後に日本に帰ってきたときは全くの浦島太郎だったので、最初は大学の友達のつながりで1本だけ仕事を振ってもらって、その時のドラマーに路上ライブの話を聞いてから後にこちらからお願いして参加させて貰ったのが日本での活動の始まりでした。正直、日本に帰って来てまで路上ライブをやりたいとは思いませんでしたが、もう仕事の繋がりが全くない中で藁にもすがる思いでしたね。

その頃はジャズの路上ライブをやっている若者が結構いました。ラッキーな事に自分がお願いした場所は結構実入りも良くて、それがジャムセッションに出入りするための資金となって半年以上かかって少しずつ仕事が得られるようになったと言う経緯がありました。その経験から、ジャムセッションが一番手っ取り早いルートかなと思っています。もちろん時間をかけて人脈を繋げれば問題ないのかもしれませんが、私は日本に先生も学校も無かったので頼れるものはジャムセッションだけでしたし、29歳にもなっていたので時間なんてかけられないとロケットスタートの気持ちで臨んでいました。

とにかく沢山の人と知り合う事、ミュージシャンと知り合う事が近道なのだと思います。恥ずかしがっていてはいつまでたってもレールには乗れません。


4.技術は教われても心は自分で探すもの

「音楽の技術は教えられるが音楽を奏でる心は教えられない」

技術は習ってもそれを使って何を表現するのかはあなたの心から生まれるものです。だから沢山のいろんな人生経験をしましょう。人生を楽しみましょう、苦しみましょう、泣きましょう、笑いましょう。とにかくいろいろな経験が音楽の肥やしとなると思います。

それは先生は教えることは出来ないのです。


5.残念ながら人格も問われる音楽業

時代によって変わって来ました。戦後は楽器を持っていて立っているだけでも仕事がありました。もちろん楽器を持っている人はそれだけで重宝されました。そして楽器が弾ける人はかなり稼げました。楽器さえ弾ければ人格がどうであれ仕事が沢山ありました。そう言う中からメチャクチャな、また面白いミュージシャンが生まれて来た昔に比べ、今は残念ですが人格的に使われやすい性格が求められているようです。それは仕事の数以上にミュージシャンの数が多くなって、また経済が伸びない国では素直すぎる若者が多く生まれて来るという事や、仕事の絶対量が増えない中でのサバイバルで生き残る手段の一つが「人格の良さ」になっているようです。

どの職業もそうですが、コミュ障でも昔は仕事が沢山ありましたが、今はコミュニケーション能力が高い人が仕事を多く持って行く時代となってしまいました。

元来、社会性が乏しい人が儚くもミュージシャンや芸術家という社会で生きる道を選ぶ事が出来ていたのにも関わらず、今は音楽業にも「コミュニケーション能力」という、本来それさえ持っていればどんな職業でも熟せるという能力を持たないと良い仕事が出来ないと言う矛盾が生じている所に悲しさを感じるのは私だけでしょうかね。


この投稿は新しく気が付いたりした事や、訂正することもあるので随時更新して行くと思います。また何かご意見があれば是非コメントを頂けると助かります。所詮は私の経験から語っていることなので。


それではまた!!




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